赤錆まみれの『臼ちょうな』を分解して錆び落とし!(レトロ道具をメンテナンス)

臼ちょうなの分解完了 レストア(修理や修繕など)失敗もアリ!

前置き

農具置き場に見慣れない道具があったので手に取ってみました。見た感じ、レンガ用の金槌みたいな形をしている。祖母に聞いてみると、固くなった畑の土を耕す時に便利で使っていたらしい。

とりあえず、なんの道具なのか分かりませんが錆が酷い状態なので、分解して錆び落とし(メンテナンス)をしていきたいと思います。(・ω・)ノイェーイ

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『ちょうな』の状態

こちらが農具置き場で見つけた道具です。あとで知りましたが、『ちょうな』という道具みたい。ちなみに、『ちょうな』は『手斧』や『釿』とも表記するらしい。また、用途は木の表面を削る道具として使用します。

※詳しく調べた結果、この道具は『臼ちょうな』という道具みたいです。臼を彫る時に使用する道具。

柄の部分には、⋀の下に『多』という漢字が刻印されてます。これは、屋号なのかな?

柄と楔を外す(分解する)

※作業は自己責任でお願いします。また素人作業なので参考にする際は注意して下さい。

錆び落とし作業をしやすいように、柄(持つ部分)と楔(くさび)を外して分解します。最初に楔から抜こうとしましたが、金槌で叩いてもビクともしない。なので、柄の頭を叩いて外しました。柄の頭が少し凹んだけどしょうがない。( ̄▽ ̄)柄を切るよりマシ!

内側を確認すると、こちらも錆びだらけ。楔が抜けなかったのは錆で膨らんだのが原因ですね。

なんとか楔も外しました。これで、『刃』『楔』『柄』の3つに分解完了!

錆を落とす

では、錆を落としていきます。しかし、錆の層が厚くなかなか落とせない。金ヤスリで削ってみましたが浮き錆も落とせませんでした。( ゚Д゚)効率が悪い!

色々考えた結果、錆を落としやすくするために表面をガスバーナー炙ります。(炙り過ぎると鉄の組織が変化するので注意!)

あとは、金槌で叩くと面白いぐらい浮き錆が弾け飛んでいく!(´▽`)面白ーい

大体の浮き錆びが落とせたので、残りの細かい錆びをワイヤーカップを付けたディスクグラインダーで落としていきます。保護メガネは必ず着用!(`・ω・´)安全第一

最後に強酸性の洗剤を使い錆を洗い流す。(/・ω・)/シュワ~

錆び落とし完了!

こんな感じで、錆び落としが完了しました。錆の浸食が酷かったので、結構凹凸が出来てます。表面を削ればキレイに出来ますが、大変だし黒錆も残っているので行いません。(=゚ω゚)ノ逆にカッコイイかも!

それと、よく見たら刻印(〇に永の文字)がありました。柄にあった刻印は持ち主が付けた屋号で、こちらの刻印は鍛冶師の銘になるのかな?(´・ω・`)分からんけど

錆止めと組み立て

内側(柄が入る部分)は、ワイヤーカップなどの道具が届かず錆が少し残っている状態なので、錆転換剤を塗布して対処します。

外側は、刃物用の油を馴染ませ錆び止め。(楔にも軽く油を塗布)

柄は赤錆を軽く落とした後に、全体を硬く絞ったウエスで水拭きしました。あとは、組み直して完了!

『ちょうな』のメンテナンス完了!

『ちょうな』のメンテナンスが終わりました。赤錆を落としただけですが、結構キレイになったと思います。

柄もキレイになり、屋号?の刻印も良く見えますね。仕上げにウレタンニスを塗ってコーティングしようかと思いましたが、元のままの方が味が出るので塗りませんでした。(・ω・)ノ塗らなくて正解!

間に入れた楔もしっかり効いているので、簡単には抜けないと思います。

実際に使ってみる

先端が丸くなっていたので、鎌用の砥石で軽く砥いでみました。紙を切るほどの切れ味はありませんが、木材を割る事は出来ると思います。ちなみに、祖母が土を耕す時に使ったようなので先端が欠けてる。(笑)

※本来は表面削ったり彫る用途で使われますが、刃先が欠けてるので木材をを割る事にしました。

では、さっそく廃材の木材を割ってみます。(/・ω・)/よいしょ~

おー、簡単に割れる!Σ(゚Д゚)面白い 普通の斧と違い軽い力で木材を割る事が出来ました。刃の当たる面積が少なかったり、独特な形が影響しているのか?

細く割る作業が簡単に出来るので、焚き付け用の薪を作るのに便利!刃先を直せば本来の使い方のように、表面を削ったり彫ったりする事もできそうです。(;^ω^)時間があったら直してみようかな

まとめ

農具置き場にあった謎の道具は、『臼ちょうな』だという事が分かりました!(・ω・)ノモヤモヤ解決

祖母に『この道具は土を耕す道具ではない』と伝えたら、『そういえば、昔かまどの焚き付けの時に薪を細く割るのに使っていたかもしれん!』と言ってました。( ̄д ̄)木材に使う道具って知ってるじゃん

話を聞いていると、先祖がたが屋(桶屋)をしていたとか話してましたが、祖母も年なので本当か嘘か分からない。なので、なぜ『ちょうな』があったのかよく分かりません。( ゚Д゚)ミステリー

あと、最初見た時にレンガ用の金槌だと思っていたので、石でも割ってみようかなと考えてました。しかし、形がなんか金槌とは違うような気がしたので、ネットで調べてみると『臼ちょうな』という事が判明。もう少しで石を割る道具として使う所でした。(´゚д゚`)あっぶねぇ

横斧とレンガ用金槌を比較

左から今回メンテナンスした『ちょうな』、中央がレンガ用の『金槌』、右が『石工ハンマー』です。(今思うと写真に石工ハンマー入れなくてよかったかも)

こうして見ると柄の位置や形が全然違いますね。(笑)

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