前置き
インゴットを作る為に、前回と前々回で『溶解炉』と『るつぼはさみ』を製作しました。今回は、作ってみたかったインゴット製作(アルミ鋳造)に挑戦したいと思います!(≧▽≦)ワーイ
しかし、インゴット製作に必要な『木型』や『砂型』などまだ足りないものがあるので、こちらも自作していきます。果たして、手作りの道具でインゴット作れるのか!(`・ω・´)乞うご期待
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木型を作る(インゴットの原型)
インゴットを作るためには、型が必要になりますが、もちろんそんなものは持っていません。なので、型も自作していきます!(笑)
鋳造の型には、金型やシェルモールド法などありますが、材料が入手しやすくコストが安い『砂型』でインゴットを製作したいと思います。(・ω・)ノコスパ重視!
それで、砂型を作るには木型(インゴットの原型)が必要。なので、そこら辺にあった木材から木型を作っていくぅ~。( ̄д ̄)腐った杉の足場板の端材だったような?
インゴットの形を聞かれたら、側面が台形のものを思い浮かびます。しかし、ネットで画像をみると小さいインゴット(1㎏以下)だと側面も四角形をしていたので、インゴットの木型は側面が四角形の長方形にしました。
ちなみに、アルミの比重を調べ木型のインゴットを作ると約500gになるように設計した記憶があります。でも、どうやって計算したのか忘れました。多分、テキトウに作った!(笑)
ある程度整えましたが、木型の表面に凹凸があります。できるだけ表面がキレイなインゴットを作りたいので、100均のエポキシパテで埋めて修正。
エポキシパテが硬化した後、再度ヤスリで表面を整え水性ウレタンニスで全体をコーティング。木ネジを挿して持ち手を作り、木型が完成しました。(≧◇≦)なんかカステラみたいで美味そう!
木型でインゴットの砂型を作る
※インゴット製作は自己責任でお願いします。また、ケガには注意しましょう!
では、木型を使い砂型を作って行きます。用意したのは、川が氾濫し畑に大量に流れ着いて取れた砂!(数年前の大雨が降った時のヤツ)
手で握った時に形が保てるくらいまで、砂に水を加えます。しかし、砂だけだと脆いので、何か混ぜた方が使いやすいかもしれません。(今回は砂と水だけで砂型を作りました)(´・ω・)鋳物砂って何を使っているんだ?
では、砂型を作っていきます。まずは、底面をしっかり転圧して固める。(`・ω・´)トントン
転圧した砂の上に木型を置いて、周りに砂を入れます。(/・ω・)/バッサー
木の棒を使い先端で砂を転圧。木型の回りは隙間ができないようにしっかり固めておきます。木型が埋まるまでこれの繰り返し!( ゚Д゚)うおおおおお
最後に、木型を慎重に引き抜きます。ここで、砂が崩れると最初からやり直し。(´゚д゚`)プルプル
スポン!こんな感じで、インゴットの砂型が完成しました。崩れやすいので、木型を抜く時は金属を流し込む直前の方がいいかも。( ̄д ̄)水の分量が難しい
溶解炉でアルミ缶を溶かす
砂型ができたので、前回製作した溶解炉でアルミ缶を溶かしていきます。この時の為に溜めていた炭も準備しました。(焚火で残ったものや自作した炭)
ブロアーだと風量が調整できないので、溶解炉の送風にはヒートガンを使用。(熱は最弱にして風量だけ操作)
では、炭に着火!(/・ω・)/ファイヤー
炭全体に火が付いたら、鍋にアルミ缶を入れて溶かしていきます。ここで気が付いていれば・・・
トラブル発生!鍋が・・・
鍋を入れてから5分後。『どれ、アルミ缶が溶けてるかなー』とワクワクしながら溶解炉の蓋を開けた結果・・・なんじゃこりゃ~。Σ(゚Д゚)あれぇぇぇ
そういえば、ステンレスの鍋を使うつもりだったのに、近場にあったアルミ鍋を使ったなぁ。何というドジっ子なのでしょう!(笑)
とりあえず、溶解炉の中から出来るだけ取り除きました。 残ったアルミは、炭が無くなってから取り出します。ここで、前回製作した『るつぼはさみ』が大活躍でした!(笑)
ステンレスの鍋を『るつぼ』にする
本来使うはずのステンレスの鍋(廃材)を用意しました。溶解炉の内側とステンレス鍋の径が同じで、るつぼはさみで掴む隙間が無かった為、鍋の縁をカット。
では、先ほどの残骸をステンレス鍋に入れ溶解炉に投入!
約10分後。残骸のアルミが溶けていたので、アルミ缶追加。
そして、蓋をして溶けるのを待つ。蓋の穴からアルミ缶を入れる事もできますが、穴が小さいのでアルミ缶を潰す手間が掛かるのと穴から炎が出てきて危ない為、蓋を外してから入れた方が安全でした。
アルミ缶が溶けたので、表面に浮いているノロ(不純物)を取り除きます。掬うものが無かったので、鉄パイプの先端を曲げたものを使用。(´・ω・)100均のステンレスお玉が便利かも
不純物を取っていくと、段々キレイになってきました。なんか、ターミネーター2の敵みたい!(笑)
砂型に溶けたアルミを流す
※砂型にアルミを流した時、水蒸気爆発が起こり怪我する可能性があるので注意して下さい。保護具などはしっかり装着しましょう。
ある程度、キレイになったので砂型に流していきます。炭が残り少なくなっているので、早く作業しないと固まってしまう。( ゚Д゚)ヤバイ
※流し込む時は両手を使っているので、写真を撮れませんでした。<(_ _)>すみません
砂型を崩さないように、溶けたアルミを砂型に流し込みました。上手くいきましたが、なんか量が少ないぞ?
いやー、温度が足りず砂型に流している時に固まってしまいました。自作した炭は燃え尽きるのが早いので、次は炭に余裕を持たせて作りたいと思います。
砂型からインゴットを取り出す
砂型にアルミを流して数分経過したら、トングを使って取り出します。数分経っても凄く熱いので、ヤケドには注意しましょう!
バケツに水を用意して、インゴットを冷やします。そのまま冷えるまで放置してもいいのですが、次のインゴットを作りたいので急冷させました。(焼き入れ効果により、硬いアルミのインゴットができるかも!)
しっかりと冷やしたあと、表面に付いている砂を取る為にたわしで水洗い。(/・ω・)/ゴシゴシ
これで、アルミのインゴットが完成!(≧◇≦)インゴット自作できたぞ~
大きいインゴットにも挑戦!
砂型を作り直して、先ほど鍋に固まったアルミを溶解炉で再度溶かしました。(アルミ缶も追加)それを、砂型に流し込む!(/・ω・)/そぉい~
数分後、バケツの水に浸けて冷やす。(=゚ω゚)ノ投入!
あとは水洗いして完成! 先ほどより大きいインゴットが出来ました。(≧▽≦)うひょー
完成したインゴット!
こちらが完成したインゴットになります。秤で重さを測ってみると小さい方が約400g、大きい方が約600gでした。(2つ合わせると約1㎏)
裏返すとこんな感じ。川の砂で作った砂型なので、全体的に凹凸がありますね。鋳物砂を使えばもっとキレイに出来ると思います。磨けばキレイになると思いますが、これはこれで味がある。( ゚д゚)ウム
溶解炉にダメージが・・・
インゴットの製作が終わったので後片付けをしたら、溶解炉の底から溶けたアルミが出てきました。これは間違えてアルミの鍋を使った時のヤツですね!(笑)
使い終わった溶解炉の中を確認してみると、内部の金属筒がボロボロになってました。(ポットの外装だったヤツ)このままでは穴が開いて、パーライトモルタルが崩れる可能性もあるので対策しなければ・・・。
それと、アルミを溶かした時に出た不純物がこんなにあります。調べてみると、アルミの鋳造で全体の5~10%の不純物が出るとの事。素人鋳造の場合は、もっと割合が高いと思う!
この不純物は『アルミドロス』と言うみたいで、アルミの成分が60~80%残っているそうです。なので捨てずに金属買取の会社にでも持って行こうとかな。買取できるか分からないけど。
その前に、まだ使えそうな部分が残ってるので次のインゴットを作る時に使ってみます。
まとめ
作ってみたかったインゴットを製作する事ができました!(≧◇≦)わーい
インゴットを作る為に、『溶解炉』、『るつぼはさみ』、『インゴットの木型』、『砂型』など全て自作した道具を使いましたが、意外と作れるんですねぇ~。( ̄▽ ̄)結構大変でしたがインゴット作れてよかった!
まぁ、各道具を作るのに時間が掛かるので、お金がある方は溶解炉など必要な道具を購入した方が早い。(笑)
今回の使用で溶解炉内部にダメージを負ったので対策し、次は銅のインゴットを作りたいと思ってます。しかし、肝心な銅が全然足りないのでいつ作れるか分かりません。なので、すみませんがその記事は先送りになると思います。
それと、溶解炉に使う炭も足りないので自作しなければ・・・。大量に消費するの市販の炭もったいない。買った炭はBBQで使いましょう!(笑)
最後に、アルミは融点が660℃なので七輪などでもインゴット製作ができるみたいです。自由研究などにいいかもしれませんね。もう夏休み終わりそうだけど・・・。( ゚Д゚)わざわざ溶解炉を作る必要なし!